本家尾張屋は京都を代表する
蕎麦菓子の店です。
江戸時代に誕生した「そば餅」にはじまり、
代々の当主がつくって参りました
蕎麦の菓子をご賞味ください。

人、自然、歴史をつなぐ、尾張屋の蕎麦菓子

人、自然、歴史をつなぐ、
尾張屋の蕎麦菓子

本家尾張屋を代表する「そば餅」が誕生したのは、江戸時代末期から明治時代にかけてのこと。十三代目当主が考案したといわれます。上品な小豆こし餡と蕎麦粉を使った素朴な香りの焼き皮、そしててっぺんに黒胡麻をのせた愛らしい丸い姿が、いまも変わらず京都の人々に愛されております。十四代目考案の蕎麦の麺打ちをするような手法で作られる当店ならではの蕎麦板、十五代目考案のそば焙煎わらび餅、そして蕎麦ぼうるは、京都のお菓子の定番です。当代の十六代目も新たに蕎麦かりんとうを発案。欠けたり割れたりした蕎麦板で蕎麦クランチを開発するなど、菓子職人や料理人とともに、京都と世界をつなぐ蕎麦菓子に挑戦しています。

菓子の背景に浮かぶ、清らかな自然の風景

菓子の背景に浮かぶ、
清らかな自然の風景

禅寺では瞑想や修行の時に食されるほど、蕎麦は心身を健やかにする食べ物です。尾張屋では古くから、点心の蕎麦だけでなく、蕎麦菓子も寺社に納めてきました。北海道の広々とした大地で育った蕎麦と小豆。琵琶湖の水量とほぼ同じともいわれる、京都の地下水。蕎麦菓子は、水・風・土の結晶です。ひとつひとつの菓子を召し上がっていただく時、日本の清らかな風景を感じていただければ幸いです。

一服のお茶、一杯のコーヒーと蕎麦菓子
Photo: Takumi Ota

一服のお茶、
一杯のコーヒーと蕎麦菓子

日本のお茶だけでなく、コーヒー、中国茶、台湾茶など、さまざまなお茶との相性を楽しめる蕎麦菓子。その可能性を伝え、提案する場として、本店の隣に「本家尾張屋菓子処」を新たにつくりました。伝統的な土壁に囲まれながらコンテンポラリーに構成された店では、代々の当主が考案した蕎麦菓子をお選びいただけます。一服のお茶、一杯のコーヒーと蕎麦菓子をいただく時間は、人との触れ合いの時でもあり、自分と向き合う瞑想のようなひとときでもあるでしょう。ささやかだけど豊かな時間に、尾張屋の蕎麦菓子はそっと寄り添い続けます。